Monday, November 20, 2006

Grameen Bank

先週はいろんな課題提出など重なって、日々のさぼりのつけをいちどに支払ったような感じで忙しかったです。

その忙しい中でも水曜日にGrameen Bankについてのセミナーに出てきたので書いておきます。

今年のノーベル平和賞を総裁のYunus氏がとったこともあり、なにかと話題のGrameen Bankですが、プレゼンの核は、いかにGrameen BankのMicro financeが農村部で成功しているかということ。そういえば、僕もここに来なければMicro financeの調査でインドネシアに出張していたということもあってこのTopicには興味があり、また僕のcourseやお隣さんのcourseでもMicro financeに興味がある人は多く、セミナーにも友達が何人か出席していました。

発表者はCIPAという公共政策を勉強するInstitutionに所属している学生(女性)で、ここに来る前はGrameen Bankで働いていたようです。肩書きは、Former Grameen Foundation USA Country Representative、なんともすごい(CIPAの知り合いも増えてきたけど、あすこはなかなかパワフルで優秀な学生が多そう)。

でプレゼンだけど、僕的には

①interest rateは普通(8~13%/year)
②返済期限を短く切っている(確かそうだったと思う)
③rural areaでの、無担保融資・銀行業務を確かにするための様々なadministration cost (running cost)は、回収したinterest rateによる益と、加えてsaving業務の運用収益で賄っていて、一応、sustainableなmodelになっている(こういう理解でいいと思うのだが)

ということがまあ当たり前といえば当たり前だけど発見でした。先立つものはお金なので、いかに財務的にsustainableな事業形態にできるか、というのが僕の問題意識だったので。

適正な利子率の設定も重要だし、仮に高い返済率が見込めるとして、その利子益だけじゃ恐らく大きなrunning cost賄えないというところで、貯蓄業務が重要になってくるんだろう(数字は見てないからイメージの理解に過ぎないのだけど)。

そして返済率向上のためのいわゆるsocial capital議論、collateralをとらずにgroupに連帯責任で貸すこと、また、女性をtargetにしていることで女性のentitlement、capacity developmentに繋がっているということなどは、これまでの知識どおり。

実際は銀行側が相当村に入り込み、貧困女性のcreditへのアクセスを改善するためにかなり細かいところまで配慮しているという印象。そこまでtransaction costかけるということが高い返済率(98%)のために重要で、そうなるとやっぱり一般のCommercial Bankは、この分野には入ってこないだろうな(他にもっと儲かるところあるし)。インドネシアでADBの職員にMicro financeについて聞き取りしたときも、同じようなことを言っていた。

会場からも、Commercial BankとGrameen Bankのビジネスの比較に関連した質問がでていて、彼女は組織が何を目的にしてるかの違い、と返答していた。Grameen Bankは一般銀行のように利潤最大化を目的とするのではなく、地域住民の発展を目的としているので、running costを賄えるだけの益は出すけど、だからといって利益を最大化するような行動はとらないというようなことと理解したのだけど。

この話を、MBA Johnson schoolの講義室でやったことが、またいとおかし。

P.S.
尚、Micro financeとは関係ないのですが(笑)、この土曜日はAさん宅のすき焼きパーティーに呼んで頂きました。むちゃくちゃ久しぶりにすき焼はもちろんのことかぼちゃや大根、ヒジキの煮物とか漬け物、みそ田楽、梅干、卵かけ納豆ご飯等等(!!!)、食べることができ、大変感激でした(独り身にはたまらん)。しかも店の味じゃなく、奥さんの手料理というところで家庭の味を堪能でき、なによりとても美味しかった。Aさんご夫妻、有難うございました。お酒のほうも、ビールにワインに芋焼酎に日本酒に美味しいお酒が沢山あり、ちゃんぽんで大いに飲んで楽しく酔えました。

3 Comments:

Anonymous Anonymous said...

質問させてください。

Grameen bankから融資を受けているグループ員って、強制貯蓄はあったでしょうか?

また、なかちょさんご指摘の恐ろしく大きいRunning Costは、外部からの資金投入に依存しているって聞いたことがあったのですが、本当に自分とこの利益だけで、なんとかなっているんでしょうか?

なかちょさんが行かれていた案件の「小規模金融C」としては、気になります☆

3:35 AM  
Blogger nakacho said...

>akeさん

>Grameen bankから融資を受けている
>グループ員って、強制貯蓄はあった
>でしょうか?

そこまではプレゼンでは発表はなかったです。ただ、貯蓄が重要だってことであれば、強制ってことも在り得るのかもしれません。

>また、なかちょさんご指摘の恐ろしく
>大きいRunning Costは、外部からの
>資金投入に依存しているって聞いた
>ことがあったのですが、本当に自分
>とこの利益だけで、なんとかなって
>いるんでしょうか?

確かにそうですよね。だから僕もそこに問題意識があったわけで、少なくとも彼女のプレゼンからはそのように理解しました。ただ、「本当に」と聞かれると、自信ないっす。

なので、ご指摘の2点、発表者にメールで聞いておきます。

5:52 PM  
Blogger nakacho said...

>Akeさん、

>ご指摘の2点、発表者にメールで聞いておきます。

発表者の方から返事が来ましたので、以下回答します(尚、試験等で忙しかったようで返信遅れたことをお詫びしますとのこと)。

①強制貯蓄

だそうです。ただ、必ずしも②を保証するためだけではなく、農村部に住む貧困層は一般的に、どうやって貯めたらよいかわからない、ないし安全に貯められる場所がないということから、彼らに貯蓄の重要性を教え、安全に貯蓄してもらうことの意義も大きいとのことです。

②財務的自立持続性

彼女の記憶では、Grameen Bankは1993年頃から自分たちだけで全て賄うことができるようになったそうですが、自立するまではやはりドナーからの資金に頼っていたようです。一般的に、自立できるようになるまで3~5年は必要ではないか、と彼女は書いています。

彼女もこれがとても重要な問題であることは同様の認識で、従い適切な利子率の設定や、確かなbusiness planを立てることが極めて大事であるということをメールの中で力説していました(challengeとも書いてます、簡単ではないのでしょう)。

一方、Savingもoperational costをカバーしたり、事業を拡大する際の貸し出し原資確保という意味からもやはり重要とのこと。



尚、僕は①の彼女の回答をみて、Akeさんもご存知のKさん(農村金融Aご担当)が以前、「Micro financeでは皆creditばかりに気がいっているけれど、savingも重要だと思うのですが」、と仰っていたことを思い出しました。

以上

1:44 PM  

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