Sunday, November 12, 2006

WTC

金曜日大学の映画館で、Grad Studentだと2ドルで映画が見られるイベントがあったので、図書館が閉まった後、金銭的なIncentiveと息抜きも兼ねOliver Stone製作のWorld Trade Centerを見てきました。


World Trade Centerといえば皆さんご存知の通り、テロリストにハイジャックされた飛行機が突っ込んだNYCにあったビルの名前で、もちろん映画もその事件を扱っています。

この事件、アメリカのイラク侵攻、ブッシュ政権の対テロ政策、イスラム社会とアメリカとの関係、アメリカ1人勝ち世界?!、はたまた事件に係るアメリカ政府の陰謀説?!等等、政治やイデオロギー論に発展するとめちゃくちゃ複雑化してしまいそうなネタということもあり、この映画が実際どんな風にこの事件を扱っているのかなと興味がありました。製作しているOliver Stoneも、自身の戦争体験から戦争の悲惨さを描いた作品も多く作っているような人だし。

で、感想だけど、映画自体は極めてそういうところからは離れていて、ひたすら家族の絆や愛にfocusを当てており、1つの描き方としてはありかなというところです。まあ、事件では各種ドラマがあっただろう中で、二人の警官の救出だけを扱っている所等はストーリー的にやや安易な部分もあったかな(映画は事実に基づいているということで、実際に起こった事を淡々と綴っているだけなんかもしれんが)。あと、Nicolas Cageはやっぱしぶい。

裏を読んだり、事件について考れば考えるほどいろんなこと言えそうな映画だけど、Oliver Stoneの本意はそこにはないのではないかなぁとは僕の意見。この映画ではたしかにアメリカの警官に焦点があてられてはいるけど、「アメリカだけが悲惨な思いをしたんだ」ってことのみを言いたいわけでは決してないのではと僕は感じました。

テロによってああいう事件が起きて、映画で扱ったような悲惨な状況がアメリカで発生したことも事実だけど、同様に、例えばアメリカのイラク侵攻によってイラクで悲惨な状態にある人たちもいるわけで、その人にフォーカスすると、この映画で扱ったのと同じような状況があるだろうと思う。

イデオロギーや政治のこと持ち出すといろんなこと言えるけど、個人レベルでは、家族の愛とか、人としての普遍的な部分がちゃんと存在していて、彼はそういうことを言いたかったんじゃないかな(この映画ではたまたまアメリカ側のことを扱っただけで(扱わざるを得なかった?!))。だから政治的なことを排除したのではという気がしています。

僕は、この映画が単純に「テロリストひどいことしやがって、アメリカ万歳」みたいなことを発想させるための映画とは思わなかったし、思うべきでもないのかなと思う(テロ行為そのものはひどいんだけど)。その辺は、なぜテロが起こるのか等も含め、バランスのとれた背景認識が必要なところかと。

感想まで(といっても、英語でどこまで詳細を理解しているか不明な上での感想というのが心もとないが・・)。

P.S.

尚どうでもよいのですが、事件が起こった2001年9月11日に僕は、大学院時代の友人と新宿でオールで飲み明かしており、3次会?かなんかで深夜にはいったカラオケ店のテレビに写しだされた事件の様子をみて泥酔状態の僕は、こりゃーすごい映画だなぁとしか認識しなかったことを鮮明に覚えています。事件については翌日ひどい二日酔いで出社して上司に“おまえ、今日顔黄色いな”って言われ続けた職場で始めて知りました。

2 Comments:

Anonymous Anonymous said...

あの事件を描くのは時期尚早だと巷で言われているとおり、今のタイミングで映画を作るとしたら、そこにフォーカスするしかなかったんでしょうねえ。事件の本質を(映画上で)議論するのは難しすぎますね。

個人的には、あの事件、コロンビアの山越えでゲリラに銃を向けられた(あの時はまじで死!を意識した)後に、マンハッタンに到着した直後に起こったので、平和構築ってなんだーーー?、と悶々と悩んでいたことを思い出します。

映画を観ることもそのひとつですが、そういうことを考えたり調べたり語り合ったりする「きっかけ」って大事ですね。あー、もっと外を歩かなきゃ。ちなみに私はこの映画見逃してしまいました。。

10:15 AM  
Blogger nakacho said...

>ノナ

コロンビアでそんなことになってたんだ(よく無事で・・)。それとあの事件を間近で経験して深く考えているそんな時に、自分は新宿で飲んだくれてたのか。。。

そんなこともあるさね。

それでも、姉貴のサークルの後輩(確か一度会ったことあったような気がする)がまさにその時WTCで働いていて、間一髪脱出できたという話を聞いたときには、さすがにテレビの中の事だけの話とは思えなくなりましたが。

>映画を観ることもそのひとつですが、
>そういうことを考えたり調べたり語り
>合ったりする「きっかけ」って大事で
>すね。

そう思う。

前も「ナイロビの蜂」見たとき(俺はほぼ全て寝てしまったが・・)も、本当は内容につき語り合いたかったのだが。。我々の仕事にも関係するような話だったし。。

ま、次回ということで。

11:40 AM  

Post a Comment

<< Home