Friday, December 01, 2006

What is our role?

ここ最近なんだか異様に暖かい。秋が始まるときは、「今年は昨年に比べて寒くなるのが早いから冬寒くなるよ(尚去年の冬は暖冬だった模様)」なんて皆言っていたのに。わからないもんです。

さて、今日もセミナーに出てきました。タイトルは「Foreign and Community Development Assistance: What is our role?」というもの。発表者はLaw schoolの先生で、USAID等のprojectに多く参画しdevelopmentの分野でfield経験も豊富な方とのこと。

すごく知的な感じの女性の方で、プレゼンも上手。”our”の定義をここでは”outsider”として、その役割などについての発表。Development projectでは支援側が非援助側の為だと思ってやっていることは実は非援助側が真にやってほしいことと違うことがままあるという話から、Outsiderは、motivation, goals and approaches, and expertiseの3つの分野でのcontributionが重要(特にexpertiseを強調していた)、そして今後のoutsiderの役割についても10点程挙げるなど、彼女の経験も交え飽きさせない1時間強のプレゼンだった。

発表内容はさほど目新しいことではないけど、ただこれ、実際に現場でその通り振舞うことができるかっていうのは、人によるだろうな。講義をきいて皆一様にふむふむとは言うだろうけど、文化や考え方の違うdeveloping countryで政府役人から農民(とは限らないけど)まで様々なstakeholderと実際一緒に仕事をする際、我々”outsider”が本当にプレゼン通りの役割で動けるかどうかは、結局前のentryで書いた属人的な「繊細さと情熱」に繋がるなと、ふと思った次第。

で、USAIDはアメリカの国策反映機関と言ってもいい程政策をしっかりdevelopment projectに反映させていると思うのだけど(良い悪いの議論はおいといて)、従いUSAIDの提案が必ずしもdeveloping countryのして貰いたいことでないことが往々にしてあると思う。実際インドネシアで仕事をしていたときに、政府高官が会議でUSAIDのとあるprojectの提案をappreciateしないとはっきり発言した場面に居合わせたことがあります。

仮に、彼女がUSAIDのprojectに従事している際自分のTORとdeveloping countryがしてもらいたい事との間に乖離があると気がついたら、彼女だったらどうするかなといじわるく考えてみたりしました(そんなこと質問していた人がいたような)。

ま、それはそれとして。

一緒に聴講したBurkina Fasoから来ている友人の今日のセミナーに対する評価も上々。自分としても英語listeningの練習にはなったし、また上述の事項を考えるきっかけにもなったので、参加してよかったです。

では、彼女がプレゼンを締めくくった以下の言葉で、僕も今日のブログを終わりにしたいと思います。

“The Golden Rule of Development Assistance
~ Do unto others as you would have them do unto you!”

8 Comments:

Anonymous Anonymous said...

いつも間接的にセミナーに出席した気分で勉強させてもらってます。

「自分のTORとdeveloping countryがしてもらいたい事との間に乖離があると気がついたら、彼女だったらどうするか」という答えを聞いてみたかったですねえ。

これは実際に多々あることで、最近始めた北アフリカ某国での案件でも、現地政府の希望と援助国の意向とに若干温度差が感じられ、援助側の最先端として現場で現地政府と共に議論する私たちが板ばさみに遭うのでは?、と始まる前から危惧されていました。

そこをうま~くまるめる(「誤魔化す」という意味ではなく、両者を納得させる)のが私たちの仕事なんですね。

事例ごとに対応は異なるものと思いますが、日頃から、いろんな人の意見を聞いておくのは大事だなー、と思いました。

9:59 AM  
Blogger nakacho said...

>ノナ

賛成。なんか、コメントがだんだん大人になってるなぁ(笑)。一応、褒めてますよ。

本来的には、それは援助機関がSWやRD結ぶときにきちっとつめて置かなければならないこと。

けど、実際にはなかなかそこまで上手く出来ないことって多いよね。

そんな時、例えば実際に仕事を請け負うコンサルタントやその他の方々(専門家の方々)が、間を埋めるような動きができるかどうかって重要なことと思います。

これって、すごく日本的な考え方と思う。契約社会では、例えばコンサルタントの場合、契約書に書いてあることだけやって、そういう齟齬は我々の責任じゃありませんって言って逃げちゃうもん(契約社会では、それは"逃げ"ではなくて、きちんと契約をやったってことなんだけど)。

だた本質的に考えると、やった仕事で皆がハッピーにならないと意味ないから、契約書で指定されているTORはそれとして、本質的に何をすればプロジェクトがうまくいくのかって視点はとても重要。

一方、"民間会社"が関わるのであれば、いいことだって言っても損したら会社存続できないから、チャリティーではできない。きちんと働きかけて"持ち出し"になる部分のお金は頂かないといけない。

その辺、きちんとコミュニケーションをとって前向きに皆さんをいい方向にinvolveしていく姿勢、心がけたいです。

これは、援助機関、コンサルタント、専門家、協力隊、どのレベルで仕事していても同じだと思います。

コメント、長くなっちまった。

2:59 PM  
Anonymous Anonymous said...

またしても質問でスミマセン。
私も間接的に講演を聴いているような気分で、勉強させて頂いています。ありがとうございます。やっぱりいい大学は、違いますね!

さて、
「Development projectでは支援側が非援助側の為だと思ってやっていることは実は非援助側が真にやってほしいことと違うことがままあるという話から、」とありましたが、では、どうしたら、Donor側は、Recipient側の真にやって欲しいことが見つかる、わかる、と言っていましたか?

最近、IUJでMonitoringとEvaluationを教えていて、‘Relevance”の話をした時に、Recipient側のあらゆるレベルのNeedsに合致しているか考えるところですよ~と説明したものでして。

私は、私なりの方法論があるのですが、講演者の方のご意見、なかちょさんのご意見もお伺いしてみたいです。
よろしくお願いします。

3:53 AM  
Blogger nakacho said...

>Akeさん、

>では、どうしたら、Donor側は、Recipient側の真にやって欲しいことが見つかる、わかる、と言っていましたか?

残念ながらそういう具体的な話は出ませんでした。Open to publicのセミナーでしたので、聞き手への配慮もあるのでしょう、話はgeneralなレベルに終始していました。

こちらでは、概して、そういう具体的なところはなかなか話してくれません(というか、話せないのでは?!)。コンサルタント等の職業を経験された方なら、その辺はフラストレーションがたまるところです。具体的にどうやるのか話してくれないと意味ないじゃん!と(笑)。

これまでこちらに留学していた先輩方や、ここで関係業界からきている留学仲間と話すと、みな同様に感じているようです。現場のほうがより具体的かつ実践的であることは事実でしょう。もちろん、こちらでの勉強の仕方にもよりますけれど。。

>なかちょさんのご意見もお伺いしてみたいです。

わっ、、僕の意見っすか。。。。(汗)難しいっすね。。。小職まだまだ勉強中ですので今後考えていきますということで、ご勘弁下さい(笑)。。。

1:46 PM  
Anonymous Anonymous said...

わーい!褒められちったーーー♪ヽ(^o^)丿
嬉しいですねえ。ニタニタ。
ていうか、そろそろ大人なコメントできるフリしておかないと、来年30歳ですから(笑)。

そして再び、ばしっと回答してくださいましたねー。私もそんな風に持ち意見言えるようにがんばります。

ご丁寧なコメントありがとうございました!

6:31 AM  
Anonymous Anonymous said...

しつこくてスミマセン。

後援者の方が、実際の手法に踏み込んで話されなかった(話すことができなかった?)ということなのですが、私に撮っての疑問は、「じゃあ、なんで、どうしたら、“Development projectでは支援側が非援助側の為だと思ってやっていることは実は非援助側が真にやってほしいことと違うことがままある”って言い切れるの?」ってことなんです。

通常、言われてるよね~、他の人たちがよく言ってるよね~でいいのかしら、って思っちゃったんです。

スイマセン、本と。最近、「評価」が私のブームなので。。。

&なかちょさんのことですから、色々考えもおありに違いないのに、「勉強中」だなんて!もぉ~!小出しでも教えてくださいね(*^_^*)

8:22 PM  
Blogger nakacho said...

>Akeさん

>じゃあ、なんで、どうした
>ら、“Development projectでは支援
>側が非援助側の為だと思ってやっている
>ことは実は非援助側が真にやってほしい
>ことと違うことがままある”って言い切
>れるの?

判断する人の立場やレベル、また判断を下す時期の問題もあるので一概には言えませんが、少なくとも講演者は“通常言われているから”ってことじゃなく、肌で感じたんだと思います。

評価を第三者が行う場合は、よく観察しないとそういう齟齬は見えにくいでしょう。一方当事者であれば見えやすいはずです。

また、上流の人になればなるほど現場にいかず文書で判断するケースが多いのではないかと思うので、相手側もサインしているSW等を見れば、その内容で合意されているものと思うでしょうけれど、実際カウンターパートと丁々発止している方は齟齬があった場合日々の会話で感じることができるはずです。

さらに言うと、プロジェクト実施中であれば見えやすいことでも、終了後一定期間後の評価などだと、関係者がいなくなったりしていればなかなかわかりにくいかもしれません。

ええっとですね、イイタイコトは以下です。

①落とし込んで議論するのであれば、誰がいつ評価するのか、e.g. 1)第三者評価、当事者評価(上流に近い人、実務者等)、2)評価時期、等を明確にする必要があると思います。

②大学で、講演者やinstructorが具体的な手法や方法論の話になかなか入ってこないということについてはあくまで一般論です。従い、「この講演者がそういう手法や方法を知らない、よって非援助側と援助側のズレについて他の人が言っていることを単に述べただけ」、というわけではありません。少なくとも今回の講演については、その部分は彼女の当事者としての過去の経験から肌で感じたんだと思います。

>通常、言われてるよね~、他の人たちが
>よく言ってるよね~でいいのかしら、って
>思っちゃったんです。

仰る通り、もちろんよくないでしょうね。

③とはいえ、「肌で感じる」、なんていうのはすごく原始的で属人的だし(でも僕はこれがすごく重要だと思っているのですが)、報告書的に見栄えのする「PCM」だとか(あまりにtypicalな・・・お恥ずかしい)、そういう評価手法があって、それで非援助側と援助側の思惑の違いをあぶりだせるのかどうか、その辺は僕もまだ勉強中ということです。

④で、ラフなブログなんで、①~③の論点の明確化などはさておいて、さくっと書いております。

12:08 PM  
Anonymous Anonymous said...

丁寧なコメントを、ありがとうございます。
「肌で感じる」ですか・・・

なるほどと思いつつも、それでその案件になんら関係がない(計画、実施、評価のどれにも)第三者は、納得するのかなぁ~とまたしても思ってしまいました。

でも、なかちょさんが言わんとされていることは、ちょっとはつかめた気がします。

カジュアルなブログなのに、くどくどと失礼しました。

5:33 AM  

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