Tuesday, March 04, 2008

BOP

Bottom of the PyramidないしBase of the Pyramid*のこと。Johnson schoolCIPAの学生が作ったSocial Enterprise & Microfinance ClubStudent Roundtable Discussionなる催し物があったので、図書館で偶然あった、ビジネスを通じての開発に興味がある韓国人の友人を誘い参加。

以下メールでのお誘い文句---------------------------

Interested in the Base of the Pyramid but not sure how to get involved or
even if you have anything to offer?

Curious about what experiences other students have had and what impacts
they've made and where they plan to head after school?

Join us in a roundtable discussion about student experiences working in
emerging markets. We will a lively discussion amongst students who have
worked in various sectors internationally, students seeking to get involved
in the BoP after school, and those generally interested in the field. Come
share your perspectives and learn from our classmates.

Social Enterprise & Microfinance Club
Student Roundtable Discussion

Monday, March 3rd 5:30 - 7:00 pm

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どんだけのアイデアがもらえるかなと期待していったものの、結構皆さん手探り状態。

議論も、「近年におけるBOPの重要性増大、しかし実は昔も考え方そのものはあった」、「この世界におけるinternshipjob huntingの話」、「新しいtechnologyが政策を変えることがあり得るのか」、「他国で仕事をする際の心掛け」等々など漠然とした客観論が多く、ビジネスを専攻としている学生によるもっと具体的な起業の話などが聞けるかなという期待とは異なったものでした。

この分野でよく言われるのがmicrofinanceだったりするわけで、皆さんそんなイメージで、斬新でかつ大きなビジネスモデルのフレームワークを求めすぎているのかな。農産物生産・加工から始まり中古車輸入や民間輸送(バス等)、携帯電話ビジネス、等、もっと泥臭いビジネスでいいのだと思うのですが。

BOPBOPといわれていますが、ビジネススクールでもまだ(いわゆるニッチな分野ですし、利益至上のpure businessとしての対象にはなりにくい分野なのでアメリカのMBA取得してpayが高い所に就職する嗜好性を持ったいわゆる“普通”の学生は入ってこないでしょうね<決して良し悪しをいってはいません>)、いや、“でもまだ”というより“だからこそ”かもしれませんが、そんな状態なんだということがわかったのは収穫(ビジネススクール全体とはいいませんが、参加した学生がこの分野に興味を持っている人という意味ではそうでしょう)。

もっと言うと、現場を知らない人が多かったようなので具体的にイメージできないのかもしれません。僕としてはもっと具体的な話をしてみたくて、会社の取り組みやこれまでの経験をベースに農産物の販路確保やフェアトレードといった話を議論のinputとして提供しました。一人、先生なんでしょうか、抽象的なことを延々しゃべっている人がいて、僕が現場の具体的な話をしたら黙ってしまってました。もちろん泥臭いだけではダメですが、あまりに抽象論すぎても、特にビジネスの話だとだからなんなんねんという話になりかねないのではと思います。

いわゆるtypicalな開発の分野でも、例えば日本の支援において、農業分野でいえば、生産性向上の為の技術支援や生産基盤整備から、生産性向上の次のステージとして、Marketへのlinksupply chainvalue chainといった物を売るという視点の重要性がよく言われています。

しかし、そもそも論として例えばODAなど政府の支援でどこまで民間支援ができるのか、という問題はあると思います。建前上、公共性を持たなければならない政府が特定の利益団体が得をすることを支援するのはおそらく難しく、技術指導やキャンペーン実施程度にとどまるのかもしれません。スリランカでお世話になったプロジェクトのChief advisorの方も、この問題を踏まえどう具体的に支援していくのかについての難しさについてお話されていました。

そういう意味では、結局はやはりやる気と能力のある人材が民間から出てくる必要があるわけで、政府による開発支援によって整備された環境や制度を使ってがっつり稼いでもらわないといけないのではないでしょうか。先回の開発の会の時も、同じようなことを考えておられる方と同様の議論になりましたが、これからは農業農村分野でも、そういったentrepreneurshipにあふれた人にどんどん活躍してもらう必要があるわけで、つまるところ人材次第ってことになるのでしょうけれど、インドネシアやフィリピンで大変長い期間継続して成果を残している案件をやっておられる会社の方々も皆さん人材の重要性については同様に仰っていたことを思い出します。

では、もう一歩踏み込むと、その人材は育成されるものなのかどうかについては、実は「人材育成ではなく、人材発見だ」と仰る方も多いです。この意味は、潜在的に素質をある人を見出すことが必要で、全くない人にいくら育成をしても難しいというもの。刺激的な言葉遣いですし、もちろん育成が無駄と言っているわけではなく素質がある人でも開花させるためには育成も必要でしょうけれど、本質はついていると思います。そして、Outsiderとして人材育成支援に関わる姿勢としては、これもよく言われますが、結局はcatalyst としてassisted self relianceという話になるのでしょうね。

公共部門における支援と民間の発展が車輪の両輪のように上手くかみ合って回っていけばいいのですけれどねぇ。途上国の“開発”ですが、政府支援という公共部門における関わり方もありますが、一般のビジネスを通じて関わる“開発”も同じぐらい重要だと再々認識します。自分がどこを軸に今後関わるかということも、考えさせられます。

そんな感じで、議論参加を端緒にしてどんどん考えが発散していった昨晩でした。

*:狭義には一日2ドル以下で暮らす4億人の“貧困層”を指す言葉(wiki参照)。広義として、過去この層はビジネスの対象とするには一般的にリスクが高くいわゆる“開発”や都市地域計画等公共政策の対象層だと考えられてきたが、同層をビジネスの対象としてもよい、むしろ積極的に対象とすべきだという議論を指すことがある。ビジネススクールでもトピックとして取り上げられているとのこと。

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